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星新一を日曜の夜に思い出してはいけない。 [独り言/その他]

寒くなると、夜、温かい部屋から出て、お風呂につかるまでが、
どうにも億劫です。

コンパクトな家なので、脱衣所まで、たった数歩ですが、
それでも、遠い、遠い。

さらに、着ぐるみのように着込んだモコモコを脱いで、
棚の上に、うず高く積み上げて・・・、と思うと、どうにも億劫。

そこら辺を、ぜ~んぶ自動でやってくれて、
どて~っと、寝湯みたいな感じで、お風呂につからせてくれて、
ついでに、髪も体も洗ってくれて、
さらに、髪の毛もドライヤーで乾かしてくれる機械、

どこかのメーカーが、家庭用に作ってくれないかしら。
もちろん、良心価格で。
どうせなら、温泉だったらいいのね~。

なんて、バカみたいな話を、日曜日の夜に、夫婦でしていました。
日曜の夜なんで、ややこしい話はパスですから。

そんな時、昔読んだ、星新一のSF小説に、
似たような機能の部屋が登場していたのを、思い出しました。

未来の都市のマンションで、一人暮らしをしている男性の話です。
(数十年前に読んだきりで、詳細は怪しいので、その辺りはご勘弁を。)

未来なので、お部屋があれこれ、甲斐甲斐しく、お世話してくれてます。

朝、時間になると、壁から出てきた手が、男性をベットから起こして、
シャワーを浴びせ、食事を用意して、歯を磨かせ、着替えをさせて、
最後に、部屋から職場へつながるカプセルに乗せて、出勤させてくれます。

なんと素晴らしい! 全自動!
男性は、まだ寝ているのか、なんにもしません。

で、とにかく、ずっと、一方的に、お部屋が、あれこれ話しかけてます。
「今日は、寝坊ですね。」とか、
「朝食は、お召しあがりにならないんですか?」とか、
「ほら、遅刻しますよ。いってらしゃいませ。」とか。
部屋のくせに、ちょっと口うるさいです。

で、その後どうなるのかというと、
まぁ、星新一が好きな方なら、予想はつきますよね。

あっという間に、カプセルは、男性の職場に到着するのですが、
なかなか、男性は降りてきません。

不思議に思った同僚が、中を覗いてみたら、男性は亡くなっていて、
すでに冷たくなっていた。ってところで終わります。

ちょっと、ブラックなオチだったけど、それは無視して、
「こんな便利な部屋あったらいいね~。」
って、だんなさんに言ったら、

「未来になっても、やっぱり通勤するんだ・・・。」

・・・。
その発想はなかった・・・。
ひっかかるのは、そこだったか・・・。

自分が「通勤」から遠ざかりすぎてて、思いつきもしなかったよ。
ごめんよ・・・。

お気楽極楽な、夢のお風呂の話だったのに、
なんだか、一気に「・・・。」ってなって、
「さて、明日は月曜、朝も早いから、とっとと寝ましょう・・・。」
ってなっちゃいました。

星新一、日曜の夜に思い出して語り合うには、不向きのようです。

タグ:独り言
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